漫画「ボールルームへようこそ」で学ぶ「好きなコト」の見つけ方

私には、何にも「好きなコト」がない…。
目標に向かって、一生懸命努力をしたり、挑戦するようなことがない…。
ただ毎日、学校や、職場と家を往復するだけの日々…。
私も何か、「コレ!」という、心を燃やせるものが欲しい!
でもそれが何なのか、わからない…。
もしそんな悩みをもっているなら「ボールルームへようこそ」という漫画を読んでみてはいかがでしょう。この作品を読めば、情熱を燃やせる「好きなコト」がきっと見つけられます!

「ボールルームへようこそ」ってどんな漫画?

「ボールルームへようこそ」は、「月刊少年マガジン」に連載中の、社交ダンスをテーマにした作品です。ボールルームとは「舞踏室」のことで、社交ダンスを英語では「ボールルームダンス」と言います。社交ダンス界を舞台に、ダンスに青春をかける男女の姿を、生き生きと描いた作品です。
掲載は少年誌ですが、作者は女性の竹内友(たけうち とも)さん。
実は竹内さんご自身も、大学時代にラテンアメリカの競技ダンサーだったのです。
それゆえこの作品には、社交ダンスの豊富な知識とともに、競技ダンサーたちのリアルな心情が描かれています。
「ボールルームへようこそ」は連載が始まると、瞬く間に話題になりました。特にダンスシーンをデフォルメした迫力のある描写が、ダンスをしない人だけでなく、社交ダンス界の関係者からも注目を集めたのです。
2013年には「このマンガがすごい! 男性編」で第9位にランクイン
2013年「漫画大賞」では、第2位を獲得
2017年にはその人気を受け、アニメ化もされました。

「ボールルームへようこそ」のあらすじ

主人公の富士田多々良(ふじた たたら)は、中学三年生。そろそろ進路を決めなければいけないのに、将来の夢も、コレという趣味もなく、ただ無気力な毎日を送っていました。
そんな時、不良にからまれたところを、たまたま通りかかった仙石要(せんごく かなめ)に助けられます。仙石は、社交ダンスの競技ダンサーでした。
それが縁で、多々良は仙石のもとでダンスのレッスンを受けることに。
そのスタジオには、多々良の同級生、花岡雫(はなおか しずく)も通っていました。
学校では地味で目立たない雫は、実はアマチュア・ランキング一位のダンサーで、プロのダンサーになる目標をもっていたのです。
そんな雫に憧れを抱くものの、雫にはすでにダンスのパートナー、兵藤清春(ひょうどう きよはる)がいました。清春の気迫あふれるダンスを見た多々良は、衝撃を受けます。
そんな矢先、競技会の途中で怪我をした清春のピンチヒッターとして、なんとぶっつけ本番で雫と踊ることに。緊張の中、それでも社交ダンスの楽しさを味わった多々良は、ダンサーとしての才能を開花させていくことになるのです。

社交ダンスを始めたきっかけは「勢い」

主人公の多々良は、社交ダンスをほんのちょっとしたきっかけで始めました。悩みに悩んだ末ではないのです。
それでも、「自分を変えたい」という思いで、とりあえずやってみる。出来るだけ、ガンバってみる。人にバカにされても、どう思われても気にしない。
始めた当初は、無謀な挑戦だったのです。
でもそれは、何かをやるうえで、とても大事なことなのかもしれません。時にはあと先考えない、その場の勢いというのも必要なのです。
「ボールルームへようこそ」は、ありがちな少年漫画と違って、「主人公が最初から天才的」というわけではないのです。
指導者となるキャラが主人公の才能に惚れこんで、「きみは才能がある! きみなら必ずプロになれる! 頼む、やってくれ!」とお願いするわけではありません。
むしろ多々良は仙石に、「やめておけ」なんて言われるほど。
それでも、くじけない、気にしない。
周囲の人に笑われても、「自分がやってみたい」と思ったら、とにかくやる。
そんな「勢い」や「なんとなく」が、いつしか本気のやる気、本物の生きがいになっていくさまが描かれています。

ダンスを始めてみてわかること

多々良は、中学3年生で社交ダンスを始めます。
そのなかで、幼い頃からダンスをやっていた選手との実力の違いを、思い知らされることも多い。
ある時それを痛感した多々良は、「なぜ僕は、もっと早く社交ダンスに出会えなかったんだ!」と号泣するのです。

確かにピアノやバレエなど、幼い頃から習わなければ、プロフェッショナルになれない芸術やスポーツは多いです。社交ダンスもまた、ジュニアから始めている人の方が伸びがいいのは当然のこと。けれど多々良の涙は単に「もっと早く出会えていたら、競技会で勝てた」という思いからではありません。それは生まれて初めて、一生懸命になれるものに出会えた、その喜びがあってこその悔し涙なのです。
何にせよ、せっかく興味をもったものにはあとで後悔しないよう、早く始めてしまったほうがいいかもしれませんね!

アニメ版の魅力

2017年、「ボールルームへようこそ」が、アニメ化されました。
原作者、竹花さんの優美で迫力がある絵を、さらにグレードアップしたカラー動画として見ることができます。
また、音楽がついていることで、実際に「クイックステップの曲って、こういう曲なんだ!」と思いながら、ダンスシーンをより臨場感をもって味わうこともできるのです。

とは言えアニメで、競技ダンスの激しい動きを表現するのは至難の業。そこでこの作品では、アニメ技法のひとつ「止め絵」がふんだんに使用されています。激しいダンスのシーンを、あえて一枚の静止画像で表現する。それが一瞬一瞬のきらめきを切り取って、ロマンティックさを演出しているのです。

また、このアニメの中で多々良や雫がタンゴやワルツを踊っているのを見ると、実際の人間の踊りが見てみたくなります。今ではYouTubeでプロのダンスを見ることができるので、リアルな社交ダンスを見るきっかけとしてもおすすめの作品です。

まとめ

いかがでしたか。「好きなコト」を求めた主人公が、社交ダンスにそれを見出していくこの作品。主人公の情熱とともに、社交ダンスのルールからダンサーの心得まで、わかりやすく学ぶこともできます。
そして何より、素直に「社交ダンスって楽しそう!」「やってみたい!」と思える作品です。一生懸命になれるものを求めている人、社交ダンスを始めてみたい人は、ぜひ一度読んでみてくださいね!